2-6.ジョジョvsエシディシ

 ワムウとエシディシとの決戦に向け、リサリサのもとで波紋の修行をするジョセフとシーザー。修行も大詰めを迎える中、柱の男たちが探し求める「エイジャの赤石」は師匠のリサリサが所持していることが判明します。

2-6エイジャ

 もともとジャンプ連載当時は「ロマンホラー真紅の秘伝説」というキャッチコピーもありまして、ついに物語の確信に迫る赤石が出てきたと、少年時代のエス氏はワクワクしたものです。

 ここで柱の男たちと波紋の戦士たちの対立関係を整理しておきましょう。
 柱の男たちの目的は究極の生物になること。彼らの弱点は太陽なので、それさえ克服すれば完全に人間を越えた存在になれます。柱の男たちの中で最も知能の高いリーダー格のカーズは、人体実験の結果石仮面を生み出しました。石仮面によって人間は吸血鬼になり、吸血鬼は柱の男たちにとってのエネルギー源になりました。

 そして石仮面の真の目的は、柱の男たち自身が石仮面の力によって究極の生物に進化することにあります。
 しかし石仮面は人間には有効ですが、不死身の柱の男たちの脳を刺激するにはパワーが足りません。そのパワー不足を補うのが赤石です。

 赤石は太陽の光を増幅する機能があり、石仮面のパワーをアップさせる効果があります。それでも柱の男たちの脳を刺激するには、この世のどこかにあるという最高の赤石「スーパー・エイジャ」が必要というわけです。
 このスーパー・エイジャが、リサリサがもつエイジャの赤石というわけですね。

 対する波紋の戦士たちが使う波紋エネルギーは、太陽と同じ力があります。波紋の力は太陽が弱点である柱の男たちには有効ですが、もし柱の男たちが太陽を克服して究極の生物になってしまった場合、波紋の力では彼らに対抗出来なくなってしまいます。

 そこで波紋の戦士たちは、エイジャの赤石を護りつつ柱の男たちと戦ってきたわけですね。リサリサが赤石を持つ以上、いつかは柱の男たちと戦う運命にあるというわけです。

 という設定を踏まえた上で、ジョセフは提案します。赤石をぶっ壊そうと。実にもっともな提案だと思いますが、リサリサは拒否します。赤石を壊すと柱の男たちを倒せなくなるという言い伝えがあるのだとか。
 この設定についてはラストバトルで検証したいと思います。

 前フリが長くなりました。波紋の修行の最終試験が行われ、ジョセフはロギンズ師範代と実戦形式のバトルを行うという試験です。シーザーはメッシーナ師範代とですね。
 ところがジョセフが試験会場である闘技場に入って行くと、そこに待ってたのはロギンズではありません。ようやく今回のバトル開始ですね。赤石をリサリサが持つことを突き止めてやってきたのは、柱の男No.2のエシディシでした。

2-6闘技場

 師匠であるロギンズを殺したエシディシに怒るジョセフ。二人はトゲトゲの闘技場に上がります。別にトゲトゲの上で戦うことも無いような気はしますけど。

 戦闘開始。無造作にジョセフを押しのけようとするエシディシ。しかし修行を積んだジョセフは、波紋を込めた人差し指でエシディシの手のひらを突き破ります。ジョセフの成長ぶりに驚くエシディシですが、強引にパワーでねじ伏せようとします。

2-6糸

 その時ジョセフが波紋を込めた細い糸がエシディシの左腕に巻きつきました。ジョセフはロギンズの死体を検めた際に、死体の指に糸を巻き付けていたのです。糸に切断されるエシディシの左腕。ジョセフが先制します。

 中国の兵法家孫子曰く、勝利というのは戦う前に全てすでに決定されている、そうです。ジョセフは作戦通りだと言いたいわけですね。

2-6泣く

 腕を切断されて怒り狂うと思ったエシディシですが、予想外に泣きわめきます。う~ん、実に不気味。ジャンプに連載当時、敵キャラが泣きわめくというこのシーンのインパクトは絶大でしたね。
 激昂しやすい性格というエシディシ。頭に血が上りそうになると、泣きわめいてすっきりすることにしているとか。

 エシディシも孫子の言葉で言い返します。兵は詭道なり。戦いは相手を欺くことが大事で、自分を怒らせて隙を作ろうというジョセフの作戦には乗らないということです。エシディシの反撃が始まります。

 エシディシはロギンズの遺体から腕をちぎって自分の左腕にくっつけます。そのうち馴染んでくるようで。
 泣きわめいたりケロッとしたり、エシディシの行動が読めないジョセフ。ロギンズの遺体が煮立っていることに驚きます。エシディシは熱を操る「怪焔王の流法」の遣い手でした。

2-6炎のモード

 炎のエシディシの能力は、自分の血液を500°まで上昇させて放出出来るというもの。まあ人間が浴びたら死ぬ温度の血液ということですな。いささか地味ではありますが。

2-6なー!

 エシディシの血液攻撃にマスクを焼かれるジョセフ。どうにか反撃の作戦を考えていることを、エシディシに見抜かれてしまいます。ジョセフの次の作戦は、闘技場に張り巡らせた糸をエシディシし巻き付けて倒すというもの。決まればエシディシはバラバラです。

 しかしジョセフに対して余裕の笑みを浮かべるエシディシ。針で自分の全身を貫き、体中の穴から血管を伸ばす「怪焔王大車獄の流法」でジョセフに襲いかかります。
 ジョセフは糸の結界を張り、エシディシはまんまと結界の中に入りますが、それでもエシディシの余裕は消えません。

 相手の次の台詞を読むというおハコを奪われたジョセフ。結界の作戦はエシディシに見抜かれ、既に足からの血管によって糸は切断されていたのです。
 エシディシの血管に囲まれ絶体絶命のジョセフ。高温の血液がジョセフの身体にポタポタ垂れていますが、熱くないんでしょうかね。

2-6敗因

 止めを刺そうとするエシディシに、「敗因」を告げるジョセフ。混乱するエシディシに、作戦の読み合いは自分勝ちだと言い放ちます。ジョセフは手品のトリックを利用し、糸がエシディシに切断されたように見せかけて、実は結界が崩れないように糸を張っていたのです。

2-6手品

 もちろん、連載当時も子供ながらに「こんな複雑な結界をバレないように張れるか!」とは思いましたけど。波紋を込めた糸に全身輪切りにされるエシディシ。最後の力で頭部から角を出してジョセフを攻撃しますが、粉砕されてしまいます。

2-6敗北

 何万人もの人間を殺して得たエネルギーのほどばしりとともに、エシディシは消滅しました。ジョセフは勝利して解毒剤入りのピアスを手に入れました。

 さて強力な柱の男エシディシはどうして負けてしまったのでしょう。作戦の読み合いで負けたエシディシですが、勝負そのものは実に正々堂々としたものです。ということは修行してパワーアップしたジョセフの戦闘能力は、既に柱の男たちと互角ということですね。

 柱の男たちの能力は人間相手に強力ですが、同時にジョセフの波紋も柱の男たちを十分に仕留められるほどに強くなっているわけですな。まあ柱の男たちの方が身体能力的には遥かに上でしょうが、罠にはめれば人間でも互角以上に戦える相手だということですな。
 そう考えると2,000年前の波紋使いたちはジョセフほど賢くなかったのでしょう。

 エシディシはジョセフと読み合ったのが敗因でしょうね。作戦を読んだりせず、ジョセフと一定の距離を保ち血液攻撃を繰り返せば勝てたでしょう。ジョセフの弱点は至近距離でしか攻撃出来ないことです。ちょっと離れれば波紋攻撃を受ける恐れはありません。エシディシは血液を飛ばせば中距離でも攻撃可能なので、近づくリスクを冒さずに一方的に攻撃出来ると思います。
 まあサンタナ同様結局は人間と波紋使いを舐めていたんでしょうね。

 逆にジョセフはエシディシが距離を取ったらさっさと逃げればいいと思います。得意技ですからね、逃げるのは。リサリサと合流して赤石でおびき寄せれば、戦闘を有利に進められたでしょう。波紋使いも他の人間と力を合わせれば、割と簡単に柱の男たちを駆除出来るように思うんですけどね~。

 それにしても太陽の光を浴びたサンタナは石になっても活動を停止しただけで生きていましたが、エシディシはヤられてしまいました。波紋は太陽光以上に強力?そんなわけはないですよね・・・。

to_be_continued

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承太郎