5-9.ギアッチョ[ホワイト・アルバム]

 組織の幹部、ペリーコロの命を賭けた伝言を聞いたブチャラティチーム。ヴェネツィアにサンタ・ルチア駅が次の目的地です。そこに隠されたディスクを手に入れれば、トリッシュの受け渡し場所が分かるということですな。
 ジョルノとミスタが二人でディスクを取りに行くことになりました。ブチャラティたちはトリッシュの護衛のようですな。別行動すると各個撃破される危険があると思うんですけどねー。
 今度の追っ手は暗殺チームのギアッチョです。ホワイト・アルバムという氷のスタンド使いですね。

ゴゴゴ

【ジョルノ・ジョバァーナ】
スタンド名:ゴールド・エクスペリエンス(以下GE)
破壊力-C スピード-A 射程距離-E 持続力-D 精密動作性-C 成長性-A
物に生命を与え、動植物に変える能力。

【グイード・ミスタ】
スタンド名:セックス・ピストルズ
破壊力-E スピード-E 射程距離- 持続力-A 精密動作性-A 成長性-B
自分の意思を持つ6人で一体のスタンド。ミスタの撃つ弾丸を操りますが、スタンド自体に攻撃力はありません。よく見ると6人全員顔が違います。

【ギアッチョ】
スタンド名:ホワイト・アルバム
破壊力-A スピード-C 射程距離-C 持続力-A 精密動作性-E 成長性-E
超低温を操るスタンドで、氷のスーツを身に纏うタイプの珍しいスタンドです。足にはアイススケートのブレードのような物が付き、高速で走ることも出来ます。

ギアッチョ

 ホワイト・アルバムの能力は周囲の温度を下げるというもので、要するに氷系ですな。氷のスーツで全身を覆うので、非常に防御が強力です。攻撃面でも優秀で、触れた相手を凍らせてしまう他、その周りにあるものを凍らせることで、動きを封じたりすることも出来ます。
 ギアッチョは車で移動中のジョルノとミスタを襲撃します。ホワイト・アルバムの能力で凍らされた窓に触れただけで、本人も気が付かないうちにミスタの指は凍り付いて、窓ガラスに張り付いてちぎれてしまいました。そんなに冷えていたら車内ももの凄く寒くなっていると思うんですけどねー。温度が低すぎると生物を生み出せないという、ゴールド・エクスペリエンス(以下GE)の意外な弱点も明らかになります。
 ミスタの銃弾とジョルノのGEとで一旦はギアッチョを車から引き離すことに成功しますが、すぐに追いつかれてしまいます。高速で追いかけてくるギアッチョを、ミスタは銃弾で転倒させるものの、すぐに車の中に侵入されてしまいます。うーん。いかに氷のスーツを身に纏っていても、車の走行する速度で走っている最中に転倒した衝撃は相当なものだと思いますけどね・・・。
 ギアッチョに直接触られたミスタの腕は瞬時に凍結し、それを助けるためにパンチを叩き込んだGEの拳も凍って砕けてしまいます。しかもホワイト・アルバムの装甲はノーダメージ。ジョルノは咄嗟に車を運河に飛び込ませて逃走を図ります。

 川に突っ込んで逃れようとするジョルノの判断はよく分かりませんでしたね。水を凍らされて不利になるとは考えなかったのでしょうか。拳が砕けたジョルノは、自分はいいからディスクを手に入れろとミスタにいいます。ミスタはギアッチョをブッ殺し、ジョルノも無事でディスクを手に入れることが勝利だと反論します。このやりとり、イルーゾォ戦でもありましたね。ジョルノは今と逆の立場でしたけど。

 予想以上のホワイト・アルバムの能力にジョルノは車に閉じ込められ、ミスタが岸に逃れようとします。GEの能力で草に変えられた車の部品を使い、ミスタはホワイト・アルバムに一撃を喰らわせます。その隙に岸へ上がりディスクを手に入れることも出来ましたが、ミスタはホワイト・アルバムを仕留める可能性を選び、水の中に残ります。
 そのおかげでミスタはホワイト・アルバムの首の後にある空気穴を発見します。銃弾をも弾くホワイト・アルバムの装甲ですが、一箇所だけ弱点があったというわけです。そんな致命的なところに穴をあけるなといいたいですね。
 弱点を狙って攻撃をするミスタですが、ホワイト・アルバムの必殺技、ジェントリー・ウィープス(静かに泣く)が炸裂し、残念ながら防がれてしまいます。エス氏が好きなのは、この能力を使う時にギアッチョがちゃんと技の名前をいうところですな。この技は、自分の周りの温度を下げ、空気すらも凍らせてしまうというもので、ミスタの弾丸は凍った空気に弾かれてしまいます。
 まあいいでしょう。凍った空気が弾丸を弾くのはいいです。でもその弾かれた弾丸がミスタに向かって正確に跳ね返るのは納得出来ませんね。

 ギアッチョにお目当てのディスクを奪われたミスタは絶望します。このホワイト・アルバムというスタンドは強力ですからね。気持ちは分かります。そんなミスタを救ったのは、ほとんど役に立っていないジョルノです。責任を感じたミスタが、自分を犠牲にしてもディスクを取り返そうと、無茶な攻撃を仕掛けようとすることを察知します。

「「覚悟」とは・・・・・犠牲の心ではないッ!「覚悟」とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く事だッ!」

 15歳とは思えないジョルノの言葉が胸に刺さりますね。ジョルノは自分の腕を傷つけ、血をホワイト・アルバムの周囲に撒き散らします。ギアッチョの周りの凍った空気は、ジョルノの血を浴びて目に見えるようになります。凍った空気を避け、鉄柱に弾丸を反射させてホワイト・アルバムの弱点を狙うミスタ。しかし弱点は凍った空気で塞がれていました。撃った弾丸を全て反射され、蜂の巣にされるミスタ。しかしこれも彼のいう「覚悟」のうちでした。
 自らの返り血でミスタはギアッチョの視界を塞ぎます。血は凍り付いて視界を奪い、ギアッチョは動揺します。追い打ちを掛けるミスタの銃弾にバランスを崩したギアッチョは、先ほどミスタが銃弾を反射させた鉄柱の鋭利な裂け目に全体重を乗せてのけぞってしまいます。
 慌てて鉄柱を引き抜こうとするギアッチョめがけて弾丸を連射するミスタ。彼自身既に全身に銃弾を浴びて虫の息です。ミスタは自分の覚悟を見せると同時に、ギアッチョの覚悟を問います。

「ホワイト・アルバム ジェントリー・ウィープスッ!」

 ミスタの銃弾を防ぐために、ギアッチョも必殺技を出します。いいですね~首の後ろを貫かれそうになりつつ必死の形相で必殺技の名前を叫ぶなんて、かっこよすぎますね。
 そして銃弾は全部反射してミスタをさらに蜂の巣にします。なんで死なないんでしょうね、この人は。決死の覚悟を見せるミスタに追いつめられるギアッチョですが、首から流れる自らの血を凍らせ、鉄柱と首を固定することで、それ以上鉄柱が首に食い込むことを防ぎます。最後の弾丸がミスタの頭部を貫き、ギアッチョが勝利したかに見えましたが・・・。
 ミスタの傷はジョルノがGEで塞ぎました。そしてこのタイミングで登場して最後に無駄無駄でギアッチョにトドメを刺します。はっきりいって、がんばったのはミスタです。ジョルノはいいとこ取りでしたね。

ドドド2

 さて、二対一で敗れたギアッチョですが、正直タイマンだったら楽勝でしたね。低温下で生物を生み出せないGEは、ホワイト・アルバムに対してほぼ無力。ミスタの弾丸も氷のスーツとジェントリー・ウィープスを突破することは出来ません。まともに戦ってはとても勝てない相手でしょうね、このホワイト・アルバムは。相当に強力なスタンドだと思います。
 ギアッチョはジョルノたちが目的を達成してから攻撃を仕掛ければよかったでしょうな。彼の目的はジョルノたちを殺すことではないのですから。ディスクを手に入れさえすれば、ホワイト・アルバムの能力でジョルノたちから逃げるのは難しくないように思いますし。

 二対一でようやくギアッチョをボコったジョルノとミスタですが、ブチャラティチームでホワイト・アルバムに勝てそうなスタンドはどれでしょうか。ムーディー・ブルースは論外でしょうな。エアロスミスも氷の防御を突破できません。パープル・ヘイズのウイルスも活動を停止してしまうようなので、これも無力。ブチャラティのスティッキー・フィンガーズ(以下SF)はどうでしょうか。氷のスーツの上からでも、装甲ごとSFの能力でバラバラに出来るでしょうか。ギアッチョ自身はブチャラティでも自分の周りでは全てが止まるといっています。たしかに、空気が凍るくらいですからSFも近づいただけで凍ってしまうかも知れませんね。
 でもその理屈だと最後のGEの無駄無駄も、ホワイト・アルバムに触れる前に凍ってしまいそうですが。やっぱり主人公補正ですかねー。

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承太郎